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静岡県熱海市 MOA美術館に行ってきた!!

なぜ今回MOA美術館を訪問したのか

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MOA美術館

今回美術館を訪問した理由は、自分は博物館や資料館にはとても興味があり、今までに何度も訪問したことがあったが、美術館には興味がなかったからである。熱海に旅行した際、この機会に新たに美術館というものに挑戦してみようと思った。

美術館を選んだ理由は上記の通りだが、その上で「MOA美術館」を選んだ理由は、旅行で訪れた静岡県内の美術館を調べ、その中でも「茶室」と「木版画」が見れるという点に惹かれたからである。これまでに社会の授業や図工の授業で習ったことのあるもののプロの作品を実際に見て、自分は何を感じるのか楽しみだったからである。

 

本題に入る前に

まずこの美術館は熱海に位置し、眺めがとてもよく、非常に心地の良い美術館であった。

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MOA美術館からの眺め

黄金の茶室

先の茶室というものは黄金の茶室である。1586年(天正14年)1月15日、豊臣秀吉は黄金の茶室を禁中へ運び、小御所で茶室を組み立て、正観町天皇に自ら茶を献上したとされる。それから秀吉はこの茶室を大坂城内や北野天満宮等に運び組み立て、茶会を開催したとされている。これらの機会に見た公家、大名など多数の人々が日記や茶会記などにこの茶室を賛嘆の言葉とともに記している。今回見た黄金の茶室は大坂夏の陣の際に失われたと考えられ、現存していないため、多くの憶測を生んでいるが、

復元作業にあっては、文献資料を広く渉猟し、可能な限り正確な再現に努めた

と説明書きがされていた。

この復元は大きな意味あるものであると感じた。武将と茶人と宮廷人との文化的接触によって広く知れ渡った桃山文化の象徴のひとつとして、美術というものの意義を示している作品だと、自分なりに考えた。

 

 

木版画(吉田博展)

今回最も見たかったものである。初めてプロの画家による木版画の作品を見たが、本当に版画なのか目を疑った。版画では考えられない細かなところまで表現されていて、また、色を版画でこんなに繊細に摺れるのかと驚いた。

版画というものはコピー機のない時代に、現在のコピー機のような働きをするものとして生まれたと聞いたことがある。となると色摺りさえ大変なものの、美術館に展示されている「本物」と同じものが複数できることになる。これは芸術作品において革命的なものだと感じた。また、木版画は絵の輪郭がはっきりと描かれるため、立体感が非常に表現されていた。

平均30回もの色摺りをすることに驚いたが、そのおかげで繊細な色の表現ができているのかと納得した。

 

今回、吉田博展(木版画)というものを開催しており、多くの木版画の作品を見ることができ、吉田博という人物についても作品を通して少し知れたような気がした。ここにも美術の良さがあるのではないかと感じた。博物館などでは、人物をその人物が起こした行動から知ることが多いが、美術の世界は、その表現の仕方や対象物からも知ることができるのだと思った。言い換えれば、「自分」を作品を通して後世に残すことができる。

吉田博について調べてみると、彼は自然にこそ美があると考え、自然を直接見ることのできない人との間に立って、その美を表すことを画家の使命としたと書かれていた。

現在ではその役割は写真が担っているように思うが、今回初めて絵画というものを多く見て、その中から自然を感じてみると、人の温かさをはじめ、表現方法、こまかな気配りを感じることで写真にはない良さが非常に多くあるように感じ、この日本の文化はもっと多くの若い世代にも感じてほしいと思った。

吉田が関東大震災後、救済のために作品販売を目的とした3度目の渡米をしていることから分かるように、美術の力は大きく、また海外での日本の版画がなお人気であることからも、日本の伝統を生かした作品はいまだに必要性は高い。

 

 

現在・そしてこれからどうあるべきか

現在わたしたちは写真の普及などで美術作品に触れる機会が少なく、またインターネットの普及によって検索すれば作品を見ることも可能で、なかなか美術作品を実際に目で見る機会は少ない。しかし今回実際に見てみて、現物の立体感や細かな部分の気遣いが分かったのに加え、目の前に500年以上前の作品があるという事実にも感動した。

そして美術館を訪れてみて、空間の使い方、作品を邪魔しない照明の配置、反射しないガラスなど、美術作品のほかにも人の心を感じることができた。

これを機にこれからたくさんの美術館を訪れたいと思ったし、そして周りの人にも勧めたいと思った。わたしたちは日本人として、日本の伝統を生かした作品のすばらしさを積極的に知るべきだと思った。